腐女子、恋愛のススメ~ケースバイ・ミキ~
雨、ヨウくんじゃない、あたし

肌寒さと雨の音で目が覚めると、目の前はやっぱり真っ暗だった。

でも目隠しは外されている。

多分これは夜の暗さなんだろう。




(タケちゃん・・・?)





周りにはもう誰もいなかった。


あたし、ボクに「ごめんね」って言いながら、

優しく抱きしめてくれるタケちゃんもいない。



泥だらけになったパンツを履いたところで、あたしは急に現実に引き戻された。




「あ・・・あたし・・・汚されちゃった・・・汚されちゃったよお・・・」





膝を抱えて泣いたけど、泣き声は雨の音にかき消されるだけだった。
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