僕が男になった理由



 「ここは覚えてる」


 「お店は覚えてるんだ?」


 「あと冬麻と買い物したのも覚えてる」


 「転びそうになったのは?」


 「覚えてるに決まってんだろ」



 忘れるわけがない



 大切な時間のはずだから



 「じゃあ…何で…」


 「今何か言ったか?」


 「え?あ!ううん!な~んにも言ってないよ!」


 「…まぁいいけど」


 「…琉依?レシート見てよ」


 「…綺麗に保存してあるな」


 「日付だよ、日付!」



 冬麻に言われた通りにレシートの束の一番上のモノを見る。



 「…コレ…冬麻と買い物に来た日から始まってる」













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