【完】ヒミツの恋を君と。

知らんぷり

「え?なにがどうなってるの?」





目の前の本を睨む様に見つめながら、つい独り言が漏れる。


今は朝の日課中。

屋上で晴との朝ごはん。


さっきまでたくさんのパンを頬張っていた晴は、あたしの独り言にも気付かずに、今ベンチで寝転んで気持ち良さそうに眠っている。




そのベンチは、屋根の下にあって日陰で、少々の雨も風も心配ない、晴曰く、まさに万能のベンチ。


あたしはそのベンチの足元に、人ひとり座れるサイズのシートを敷いて座る。


シートをスクールバッグに入れて持ち運ぶのも日課になっていた。





「…しまった……この本は上級者向けかもしれない」





晴がまだ当分起きないことを知ってるから、あたしは堂々とその本とにらめっこを続けてた。


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