【完】ヒミツの恋を君と。
「祐樹先輩は間違ってる。どんなに晴の世界が広がったって、晴はいつだって祐樹先輩を大切に思ってきたのに!」


「……うるせぇ」


「晴に謝って、そして素直な気持ちで向き合わないと、どんどん気持ちは離れていって、もう修復出来なくなると思います」





あたしだってあの時、春と春ちゃんに謝れなかったら、友達に戻れていなかった。

祐樹先輩にもわかって欲しい!


あたしの声は、高い天井に反響して倉庫内に響いた。

その後、一瞬静まり返った空間。



次に言葉を発したのは祐樹先輩だった。





「うるせーよ!!」





小さくつぶやかれたその言葉の後、祐樹先輩の手があたしに伸びてきて、





「…うっ!!」




シャツの首元をグッと掴みかかられた。

よろけたあたしは近くの壁に背中を預ける形になって…



殴られる!



そう危機を感じても、背中は壁で、足は痛くて、逃げることなんて出来なくて、

反射的に、目を閉じて、身を縮めようとした。



その時、首元に感じてた力が急に緩んだ。






「さわるな!!」






その声は…?





驚いて目を開けた。






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