好きって言うまで離さねぇ。
なんか……私の勘が“この人は危ない”って言ってる。
……ま、何が危ないんだかさっぱり分かんないけどね。
「では、リビングへどうぞ」
お母さんがスリッパを出しながら言う。
大事なお客様だからか、お母さん自ら案内するみたい。
「お邪魔いたします」
咲哉さんが丁寧に頭を下げながらそう言って入る。
「そんな他人行儀な態度止めてくださいよ~」
すると、お母さんがすかさずそう言った。