アンラッキーなあたし
「とにかく、桜庭、もう飲むな。わかったか」

「飲む!アル中で死んでやる!」

千葉に止められるのも聞かず、あたしはぐいぐい飲んだ。

「そう自暴自棄になるなよ」

「なるわよ。だって、あたしにはね、何にもないの。金も男も!ついでに仕事も失うかもしれないの!あ、借金はあるけど」

「そうか、そうか。でもな、これから占い師として頑張っていきゃいいじゃねぇか。な?お前、有名な占い師なんだろう?」

「ふん。それだってね、三ヵ月以内に彼氏作らなきゃクビなんだから」

「三ヵ月?何のことだか俺にはさっぱりだよ」

「あぁ、中田さん。好きだったのになぁ。やっぱ、死にたい…」

ついセンチメンタルな気分になって、こんなことを口ばしってしまう。

中田さんのカバ…。

帰ったら今まで貰ったキャンディーを一気食いしてやると決め、テーブルに突っ伏し、うじうじする。
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