アンラッキーなあたし
「…もしもし?」

「おい、桜庭!今平気か?」

千葉の声はいつもと違って鬼気迫っていた。

「どうしたんですか?」

「事故った…。」

はっ?じ・こ・っ・た・?

「え~っと…。あたしは医者でも警察でもありませんが…。」

状況を把握できないあたしはマヌケな返事をした。

「分かってるよ!頼みがあるんだ。実は…」

「えー?!」

千葉があたしに頼んできた用事が、これである。

長谷川産業との契約へ向かう途中、契約書を忘れたのを思い出し、帰宅しようとした。

が…。

バイクとの接触事故により足を骨折。只今病院、これから手術。

で、あたしにその書類を届けて欲しい。

5時までに…。

はぁ~?なんであたしなのぉ?
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