アンラッキーなあたし
「あんた、ちょっぴりだけイイ女になったね?そこにいる男のお陰だね。」

言いながら、ルコ先生はあたしに一枚のカードを差し出した。

star

正位置

「先生、これ?」

「あんたの明るい未来は見えていたんだよ」

ルコ先生は、これまでの茶番を全てお見通しだったようだ。この、ありえないハッピーエンドまで。

「このカードは、明るい見通し、順調な恋の行方を暗示しているけど、運命の神様は気まぐれだ。いつヘソを曲げるかわからない。安心したらいけないよ。」

今ある状況にあぐらをかくなとルコ先生は厳しく言った。

「は、はい!あたし、この幸せを逃しません!もっともっと幸せになってみせます!」

あたしは、隣りに千葉がいるのをすっかり忘れて、こんなことを言っていた。

「だってよ、千葉さん?」

「覚悟してます」

千葉はそう言って、アタシの肩を抱いた。

「おお、暑い暑い!恋ボケして仕事をおごそかにしないようにね?」

ルコ先生が肩をすくめる。

「ルコ先生…。じゃあ?」

「明日からはバリバリ働いてもらうよ?私も彼氏と色々忙しいんだからね!」

「ありがとうございます!」

真っ暗だったあたしの人生に、ようやく光が差した。
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