アンラッキーなあたし
「それはそうと、例の件考えてくれましたか?」

「例の件?」

はて、なんでしょう?

「ほら、定期預金の」

すっからかんに忘れていたあたしに、中田さんは苦笑いした。

「ああ、その件ですね」

そんな話もあったな…。

あたしは俯きながら、乱れた髪の毛を手ぐしで直す。かおのあざが気になって、真っ直ぐに中田さんを見られなかった。

「いつでも相談に乗りますからね」

中田さんはスーパーミラクル爽やかスマイルでそう言った。

「え?いつでも?」

思わず顔をあげる。

そ、それだ!

暗かったあたしの未来に、突然、一筋の光が差した。
< 73 / 354 >

この作品をシェア

pagetop