潔癖な浮気
「俺だったら、先輩にこんな思いさせないのに」

後輩の手が、私の手に重なる。彼よりも大きな手。

「俺じゃ、ダメですか?」

熱い吐息を耳にささやき、真剣な眼差しで私を見てくる。
呑んでないはずなのに後輩の頬は上気して、唇が迫る――

「私、一応まだ彼氏持ちだから!」

後輩の口を手で押さえ、それ以上の進行を阻止する。

「……彼氏がいなかったら、俺とシてくれます?」

押さえた手を優しくつかまれ、手のひらにキスされた。
その唇の感触に身震いする。

「先輩を夢見て、ブライダルチェックは済ませてあります。それぐらい、俺は真剣に先輩のことを……」

体が熱いのは、きっとアルコールのせい――じゃ、ないのは分かっていた。

「ま、待って」

「はい、待ってます。だから」

後輩の真摯な目を、直視出来なかった。
見たら、不誠実なことをしてしまいそうで……
三ヶ月ぶりの、このうずき。
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