《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
⑫中川真澄〜好きが言えなくて〜
★★★


ハワイアンな雰囲気の漂う明るめの店。

店内もハイビスカスの造花やらモンステラの大きな葉っぱ、サーフボードまで飾られている。

目の前の三浦くんは、両肘をテーブルについて手のひらで頬を支え私の方をじいっと見ている。


目を輝かせてうっすら笑う表情は、絵になりすぎて直視できなかった。


「何よ、さっきから。あんまり見ないで。減るじゃん」


「いいじゃん、少しくらいさぁ。けち」


「けちって何よ!」


「けちは、けちだろ。俺は、真澄さんちで夕飯食べたいって言ったのに、わざわざ外に出ようなんてさー」
ぶつぶつ文句を言う三浦くん。

「それの何がけちなのよ!」

三浦くんは、ぐいっとテーブルに乗り出してきた。
「ね〜、俺のこと警戒しすぎじゃない?」


「はあ? まさか! なんでよ、ははっ」

笑いで誤魔化したものの本当は、ものすごく警戒していた。



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