【あなたと私で創るものがたり】
 思えば、ホワイトデーの辺りから彼女の態度がおかしかった。

 よそよそしいというか、どこか他人行儀な感じがしていた。

 僕に好意を抱けなくなっていたなんて知ったのはそれから一週間後くらいだろうか。

 ホワイトデーに渡したネックレスを突き返されて「別れて」と言われた。

 思い出しただけでも涙が出そうだ。

 それ以来、僕の心には小さな棘が刺さったまま抜けてはくれない。

「くそ」

 やけ食いのようにひまわりの種をむさぼるけれど所詮は小さな種、腹も膨らまない。
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