【あなたと私で創るものがたり】
 二人が顔を見合わせて、飼い主さんがまたぼくを抱きかかえた。

 ぼくの顔をじっと見て、なんだか目がうるうるしてる。

「このハムスターね。死んじゃったんだって」

 うそだ……ぼくは何も言えなかった。

 ぼくは居ても立っても居られずに飼い主さんの手を振り払って部屋中を走り回った。

 男の人が帰っても、ぼくはずっと鳴き続けた。

 じーちゃん、じーちゃん、じーちゃん!

 うそだうそだ!

 そんなはずない。

 じーちゃんは仙人だって言ってたじゃないか!

 そうだ、じーちゃんが初めて来た日、ぼくは窓の外を見てた。

 ずっと、ずっと見てた。

 あの日はお母さんのことを思い出してなんだか一人が寂しくて、ずっとずっと外を眺めていた。
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