【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~




「委員長……」



だから、なんでそんな熱っぽく私を呼ぶ
のよ。



安易に触れたら、火傷してしまいそうな
甘い雰囲気が、漂っていて。



少し、息苦しい……。



「委員長、俺───……」



と、香坂が何かいいかけたその瞬間、パ
ッと夜空が光って。



パラパラと、光の花びらが夜空に溶けて
、消えた。



「……すごい…」



香坂の言った通り、ここ、穴場だ。



すごく綺麗に、花火が見えて。



私は目を逸らさずに、ずっと打ち上げら
れる花火に見いっていた。



さっき香坂が何かをいいかけていたこと
も、忘れたまま。



花火の下、甘い空気と、微かな切なさを
残して。



夏が、終わる音がした。





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