【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





「……知りたいの?」



どこか探るような口調でそう尋ねてくる
香坂。



「知りたいわ」



それを知ることで、香坂のその切なげな
、苦し気な瞳が和らぐのなら。



それが、香坂の為になるのなら。



知りたいと願う。普通でしょう?



じ、と香坂を見つめると、やっぱり香坂
は苦しそうに、でもさっきよりかは柔ら
かい微笑みを浮かべて。



「……委員長って、思わせ振りだよね」



なんて言ってから、不意に私の耳元に唇
を寄せたかと思うと──。



「……文化祭、市原とじゃなくて俺と回
ってくれたら、教えてあげる」



と囁いて、私の元から去った。



……文化祭?


市原って……和馬君の事よね?……別に
、和馬君とは約束なんてしてないのに。





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