【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





だけど香坂はそこで言葉を止めたまま、
どこか自嘲するように笑って。



「ねえ委員長、禊ってどういう意味なの
かしってる?」



と、もうそれ以上話を続けるつもりはな
いのか、話題変更をした。



「……ううん。知らないわ」



ずいぶんと珍しい名前だとは思ってたけ
ど。



すると香坂は、僅かに目を伏せ、喋りだ
した。



「罪やけがれをはらうために、水を浴び
て身を清めること、だって。──どんな
思いで、こんな名前、つけたんだか。

自分の罪を俺に擦り付けたのかね?"俺
を作ってしまった罪"を」



クスッと笑う香坂。



「可笑しいよね。俺自体が"罪の産物"
なのに、罪に罪を擦り付けるって、どう
いうことなんだか───」



もうそれ以上聞いてられなくて、聞きた
くなくて、香坂を抱き締めた。



「……委員長?」




< 234 / 426 >

この作品をシェア

pagetop