【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
違う。
こんなことを言いに来たんじゃない。
「あの、ね……っ」
思いきって顔を上げてから、私は胸を突
き刺されたような痛みに襲われた。
だって和馬君、すごく辛そうだから。
縋るような目で、私を見つめてるから。
「……あの…」
せっかくした決心が、ほだされそうにな
る。
でも、言わなきゃ……。
「……別れ、よ……」
やっとのことで押し出した声はあまりに
小さくて。
自分ですら、聞き逃してしまいそうなく
らい。
「……なんで?」