【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





違う。


こんなことを言いに来たんじゃない。



「あの、ね……っ」



思いきって顔を上げてから、私は胸を突
き刺されたような痛みに襲われた。



だって和馬君、すごく辛そうだから。



縋るような目で、私を見つめてるから。



「……あの…」



せっかくした決心が、ほだされそうにな
る。



でも、言わなきゃ……。



「……別れ、よ……」



やっとのことで押し出した声はあまりに
小さくて。



自分ですら、聞き逃してしまいそうなく
らい。



「……なんで?」




< 392 / 426 >

この作品をシェア

pagetop