明日、あなたが目覚めたら

▷確かな、拒絶

◇◇



「きゃあーっ‼ 千沙久しぶり〜!」


「……なんでそんなハイテンションなの、友梨」



顔を見るなり飛びついてきた友梨。

暑いんだから離れてよ、と言うと友梨はぷうっと頬を膨らませた。



「だって……!
毎日毎日、宿題、勉強、塾のオンパレード……! こんな息苦しい夏休み初めてだったっての‼」


「……まあ、仕方ないでしょ」


「だけどそれも昨日で終わり! やっほーい‼」



ぴょんぴょんと心底嬉しそうに飛び跳ねる友梨を横目に、私は「はあ……」とため息をついた。

……この子はほんとに、何を言ってるんだか。



「全然終わりじゃないでしょ。むしろ、これからが本番じゃん。

私たち、受験生なんだから」



そう。私たちは今年、中学3年生。

つまり、受験生になった。




そして、

智と私が付き合いはじめてから、早いもので、もう1年以上が経つ。


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