心さん、そろそろ俺にしませんか?



「陸達とする予定を立てたのさ!」


陸達とは、俺達がたまに一緒に昼飯を食ったりする奴等。集まりたい時に集まるって感じ。


「ちょっと待て。その日部活だろ」


「もちろん、終わってか……」


「でも、その日無理だ」


「え~なんで!?」


「母ちゃんが仕事休みで、パーティーするぞ!って張り切ってた」


何かと行事ごとは力が入るうちの母。だから昨年も俺は、クリスマスは家にいた気がする。


「そういえば前もそうだったなぁ。……よし、そうとなれば決まりだ!」


「は?」


「クリスマスは優生の家に集~合!」


何言ってんだよ、コイツ。


「おばさんに伝えててくれよ~」


チャイムが鳴り、イチはヒラヒラと手を振りながら俺のところから離れていく。


嘘だろ。まさか俺ん家でするとは。


母ちゃんに言っても、どうせ断ることなくオッケーするんだろうな。


何か断る理由はないだろうかと、頭の中で悩みながら授業を受けた俺だった。



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