心さん、そろそろ俺にしませんか？

ジロッとイチを睨むが、お見通しだ！という顔を見せるイチ。


「素直になれよ～？」


「……じゃあ」


「おっ！早いな♪」


「お前だけここにいろよ」


その言葉をイチにプレゼントして、校舎へと足を進める。


「ちょっ、優生っ」


呼ばれても俺は相手にしない、いや……してやるもんか。


本音はまだ心さんの声を聞いていたかった。だけど、さっきチラリと見えた心さんの隣に……いたんだよ。


──────西川先輩、が。


あのままいたら、２人の会話を聞くことになるじゃん。そんなの嫌に決まってんじゃん。


「ったく！優生！お前いつかバラしてやるからな？」


「あ？脅しかよ」


「そうだ。脅しだ！」


「友達を脅すなんて。お前はその日からこの学校の奴等から嫌われるな」


一瞬にして青ざめたイチ。おいおい、さっきまでの威勢はどこに行ったんだよ。