心さん、そろそろ俺にしませんか?



そして、夏の合宿は終わり、県大会まで残り数日となったある日。


「お疲れさまです。心さん」


「おう、お疲れ!」


部活帰りに偶然にも、心さんと会うことが出来た。心さん達のチア部も大会を控えているらしい。


「あの、イチと仲直りしました」


「本当か!?よかったなぁ」


「はい。心さんがその機会を作ってくださったんですよね?キャプテンと佐原先輩から聞きました」


「げ。バレてたのか」


マジかよと照れくさそうに、自分の頭に手を置いた心さん。


「ありがとうございました。夜空鑑賞がなかったら、今も仲直りのチャンスを掴めないところでした」


「何言ってんだよ。チャンスなんて、いつでもどこにでも転がってる。それにお前達が気づかなかっただけだ」


ニッと笑った心さん。


「それに言ったろ?大事な時期に喧嘩する奴らがいたら、ぶっ飛ばすって」


「あ、言いましたね」


「夜空鑑賞ん時に仲直りしなかったら、ガチで目を覚まさせるために、殴り込みに行ったと思う。命拾いしたな!」


少しだけ、背筋に悪寒がしたのは、気のせいじゃないな。




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