心さん、そろそろ俺にしませんか?



「ったく、アイツにはお仕置きしねぇとな」


ブツブツ言いながら胴着の紐を結ぶ先輩。イチの奴、可哀想に。


「原田、お前森原と仲良いよな」


「え、まぁ同じクラスですし」


「体育祭の部活動対抗リレー、お前等出場な」


は?


「あれ競争率高ぇから頑張れ」


「ちょっ、待ってください。先輩達が出た方がいいんじゃ……」


イチはともかく、なんで俺まで道連れなんだよ。


「俺は剣道部の勝利が欲しいんだ。な、頼むぜ、原田」


上手く言いまとめたつもりだろうけど、どうせ出たくないだけっすよね?


「森原だけじゃダメっすか?」


「友達を見捨てるのか?」


「はい。こういう時は自分を守ります」


「はははっ!それは剣道だけで十分だ。強制参加ってやつだ、いいな」


キャプテンは出るらしいけど、他の先輩達は大会のために負傷を控えるために、俺達1年を出すことにしたらしい。今回だけ。



< 65 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop