なんで俺じゃあかんねん

「無理。

先生とも相談して、M高ってことになったし。」


これは嘘だ。

本当は「一個落としたほうが・・・」とか言われた。


でも、それじゃ意味がない。

俺がなんのために推薦を蹴ると思ってるんだ。


学費?

それが一番の理由じゃない。

俺は、M高以外行きたくない。


「なんなんそれ。あたし、聞いてないねんけど!」

「だって、今はじめて言ったし。」


相手はあからさまに嫌そうな顔を向けてくる。


「ちょっと待って!考えなおした方がいい!

M高は、あんまり良い高校ちゃうで?

先生は腹立つ人ばっかりやし、校舎汚いし。」


よく言う・・・

『~先生めっちゃおもろいねん』とか

『さすが建て替えたばっかりの校舎は綺麗やわ~』とか

自分の発言を忘れたのか。


「どうでもええわ、そんなん。

ま、そういうことやから。」

「え!?ちょっと!!」


相手の呼びかけも無視して俺は自室に入った。


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