なんで俺じゃあかんねん
「だ、だって・・・!!

最近ずっと一緒におるし、なんか気にしてるし、文化祭前の夜だって飛び出して行ったやん!!」

あー。

そうやっけ。

「それは、雅さんが泣いてたから。

友達が悩んでたら、悩みくらい聞きに行くやろ?」

「とも、だち・・・・?」

「そう。」

彼女は同士。友達や。

「でも、雅さんはハルのこと好きって・・・。

告白されたんやろ!?」

「うん。されたよ。」

「友達やと思ってても、自分の気持ちに気付いたとか・・・。」

「はあ?」

自分の気持ちってなんやねん。

「あのなあ・・・。」

俺は盛大にため息をついて、ガシガシと頭をかいた。

「告白された今の状況で、俺は雅さんのこと友達やって言ってるんやけど?」

まあ、告白されたから改めてわかった部分もあるしな。

「第一・・・俺は他に好きな奴おるから。」

目の前にね。

じっと葵を見つめる。

葵はびくっと体を反応させて、眉を寄せたままこちらを見ている。
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