。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
*戒Side*
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** 戒Side **
「あたし、叔父貴の部屋に行く」
朔羅はそう言い残して個室を出ていってしまった。
「大丈夫、あたしは信じてる。
戒が必ず助けてくれることを」
助け出すさ。
必ずな。
個室の壁に寄りかかって作戦を練っていると、すぐに
コンコンっ
控えめにノックする音が聞こえてきて、
「戒さん?俺です」
響輔の声が聞こえてきた。
龍崎 琢磨は文字通り「朔羅と引き換えに」と条件を守ってくれたみたいだ。
俺は扉の鍵を開けて、個室の中を顎でしゃくる。
「入れよ」
「どうしたって言うんですか」
個室に入った俺と響輔。
「「………」」
「近いし…」
「だって個室ですよ。二人で入ることはまずないでしょう?」
「まーそーだけどぉ…」
響輔はちょっとかがんで、床に落ちた何かを拾い上げる。
それを見て響輔は無言で目を細め
「な、何だよ」
思わず一歩後退すると、
「お楽しみ中だったみたいですね」
さっき落としたゴムのパッケージを俺の目の前でふらふら。
「え!いやぁ…未遂だったって言うか…琢磨さんの乱入でできんかった言うか」
バカ正直に答えてしまって
バンっ!!
さっき朔羅を追い詰めてたってばかりなのに、今度は俺が壁に追い詰められる番。
響輔は開いた手の平を壁につき、
「こんなときに何考えてるんですか」
無表情で言われて、俺はたじたじ。
「響ちゃん、怖いで」
ご…ごめんなさぁぁあーーーーあい!!!