。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。


例のごとく掴み合いの喧嘩に発展していた戒の尻ポケットから、さっき戒が抜き取ったであろう書類が落ちた。


その書類に気付かずキョウスケとの喧嘩を続けている戒。


あたしはその書類を拾うと、喧嘩している二人の前で書類を広げた。


それは履歴書だった。


新垣 エリナの顔写真が貼ってある。


丁寧な書き込みがしてあるのを見て、それが新垣 エリナ本人の字であることが分かった。


住所や電話番号は偽ってはなさそうだけど、生年月日と満年齢を見てあたしは目を開いた。



「平成X年12月18日生。満20歳!?」




あたしの声に、喧嘩をしていた二人がぴたり、と動きを止めた。


「え?20歳??俺より年上…?」


キョウスケが目をまばたき


「アホ。んなわけあるか!こりゃ嘘に決まってンだろ!」


戒があたしの手から履歴書を取り上げた。


へ……




嘘!?





「新垣 エリナは年齢偽って、このガールズバーでバイトしてたんや。


今は辞めたけど、俺はその就業履歴を削除しにきたってワケ」




年齢偽って…



ええ!?


何で!






< 36 / 841 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop