。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
きっと慣れない日射病なんかになっちまってナーバスになってたんだな。
シャワーで洗い流した涙がまたもこみ上げてきそうであたしは慌てて顔を上げると鼻を啜った。
「お待たせしました」
あたしは髪も乾かさずに扉を開けた。キリさんを待たせてるのが申し訳ないから。
叔父貴だって鴇田だって一目置く敏腕秘書なのに、子供の子守とか……やってらんねぇだろうな。
だけどキリさんはこっちの気遣いもよそに
「あら、まだ髪が濡れてますわ。ちゃんと乾かさないと、今度は風邪を召されてしまいますわ」
キリさんがあたしの手を引っ張って、あたしはまたも脱衣所に逆戻り。
ゴォオ
しかもドライヤーで髪を乾かしてくれる。
あたしは丸椅子に座ってキリさんに任せていた。
これも仕事のうちなのか、と思ったけれど完全に私情だな。
「朔羅さんの髪ってとってもツヤツヤ。うふふ
お人形さんみたい♪♪」
と、どこか怪しい声を挙げて何故か楽しそうだし。
「はぁ~やっぱり女の子って可愛くていい匂いがして、素敵ねぇ」
あたしの髪の一房を手にとってキリさんはスリスリ。
キリさんはそっちの人じゃないってわかるけど、どこか変態っぽい。
この人の変なところ、きっと美人だから許されるんだろうな。
「あら?朔羅さん……こんなところにほくろが」
髪を乾かしていたキリさんはいつもより近い距離で首元を覗き込んできて、目をぱちぱち。