。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




ガバっ!!


慌てて起き上がると、戒も同じようにビクっと目を丸めて肩を揺らす。



起き上がると同時に左腕に激痛が走った。


まるで一点を焼かれるような痛みに涙が出てきて「?」マークを浮かべてシャツの上からその部分をそっと触れると、二の腕に包帯が巻かれていることに気づく。


「大丈夫かよ。あんまり動かさない方がいい」


戒が慌ててあたしの腕を掴み、そっと下ろさせた。


「……えっと……状況が良くわかんないんだけど……どうしてあたし包帯巻いてんの?


寝てる間に怪我でもしたんか?」


「……まぁ…寝ぼけてたんだろうな」


戒が言い辛そうに言葉を濁して下を向く。


寝ぼけて――――……


てか、どうやったら寝ぼけてこんなところに傷作るってんだよ!あたしゃどんだけ寝相が悪いんだ!


てか……


ここが病院で良かった。



てか



何で――――戒がここに


戒は昨日のカットソーにジーンズ姿。髪が僅かに乱れていたけれど、寝起き…には見られなかった。


いつからここに――――


戒はベッドのすぐ傍のパイプ椅子に座って心配そうにこっちを覗き込んでいて、あたしはまたも目をまばたいた。


昨日はキョウスケがついててくれたはずなのに―――


「か、戒?」


思わず聞くと


「お、おう」


と戒はぎこちなく手を挙げた。


「「…………」」


二人して沈黙して



あたしは布団の端をぎゅっと握ると


「お、おはよ……!」


何とか挨拶した。だって朝起きて言うことってこれしか思い浮かばないし。


「おう(おはようの略)」戒も返事を返してくれた。


…………


またも沈黙。



ってか!あたし何ふつーに挨拶しちゃってんだよ!!!


てか…









何で戒が居るのーーーーー!!!!










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