裏切りの恋
「階段から落ちることなんて……
香織さんの痛みに比べたら、全然どうってことないです」
「何言って……」
「この気持ちを持つことを許されるなら、あたしはどんな罰だって受ける」
「ちょ……」
あたしは香織さんの手を振り払った。
「ごめんなさい。
あたしもこの気持ちだけは譲れない……」
そしてニコッと笑いかける。
「あたし……裕翔が好きです」
次に襲ったのは、体全体に響く衝撃。
あたしは、自ら階段から落ちた。
「夕菜っ!!!」
薄れゆく意識の中で、
最愛の人の声が聞こえた。