裏切りの恋
 
「あーあ、今日は帰さないといけないのが辛い…」
「しょうがないよ。明日も仕事なんだから」
「うん……」

そう言って、子供のようにスネた表情をする明。
年上なのに、そんなところがかわいいと思ってしまう。


「週末は泊まりに行ってもいい?」
「もちろん!」


あたしの言葉に、明はパッと顔を明るくさせ、笑顔になった。


「金曜だからちょっと帰りが遅くなるかもだから、合鍵使って先に帰ってて」
「うん、わかった」
「じゃあ、今日は気を付けて帰れよ」


明はそれだけ言うと、あたしの唇に、軽くキスをした。


「うん…明も。バイバイ」


そして手を振ると、あたしは電車に乗り込んだ。

 
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