『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
春哉を見ると、
まっすぐ見て運転している視線を感じたようで


「何?香奈ちゃん」

 軽くウェーブがかかった髪が
少し開いた窓から入る風に
心地よく揺れている。


映画見てるみたい。


 全てが出来すぎてて、
それでいて全てが現実に起きている。


「香奈ちゃん?」


「なんで私なんかにドーナッツを?」


「うーーん。ドーナッツは、
作りたくなったから作ったんだよ。

作ってたら香奈ちゃんに渡したくなった。
だから渡してるところ」


「……はい。えっと、どうもありがとう」


「いえいえ。どーいたしまして」

 大げさに言って笑う春哉。
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