大きな鞄


美里の瞳が好きだった。
キラキラと眩しすぎて、見つめ続けるのが苦しいくらい好きだった。
だけど、その輝きは僕の姿を通り越し、ずっとずっと先の輝く未来に向かっていた。
僕が手を伸ばしても、届かないほどの未来を見つめていたんだ。

僕は、美里が見るそのキラキラする未来を一緒に見つめ続けることができなくて、視線を伏せるしかなかった。
ただ見て見ぬふりをして、神様、どうか何事もなく通り過ぎて下さい。とまるで他力本願のように信仰心の欠片もない僕は、そんな時に限って神に祈ってみたりもした。

他力本願な上に、信仰心さえないのだから、そんな願いは聞き入れては貰えるわけもない。


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