理想の男~Magic of Love~
静かになると、手の中に握られたものを見た。

紙切れのようなメモに、電話番号の走り書きがされていた。

書かれているその時は、とてもキレイな字だった。

と言うか、字まで私の好みじゃないの…。

もはや、何だこれはと言う話である。

何もかも全て私の理想の男に、もうどうすればいいのだろう。

そう思ったけど、すぐに思い出した。

「――無理よね…」
と、小さな声で呟いた。

私には、結婚を前提につきあってる人がいる。

その人とは、この前の日曜日にプロポーズされたばかりだ。

それに、イエスと返事をしたばかりだ。

その人は、私のことなんて何もわかってないけど。
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