理想の男~Magic of Love~
求められた私は、どうすればいいのかわからなかった。

「あなたからもお願いします」

「えっ?」

何をどうすればいいの?

思わずそう聞きたくなった。

蘭さんは続けて、
「あなたからも、兄貴を説得してください。

会社を継ぐようにと、そう説得をお願いします」

「えっ、いや、ちょっと…」

何で?

何で私が?

って言うか、巻き込まれた?

私の話を聞きたくないと言うように、蘭さんは背中を見せた。

「えっ、ちょっと」

追いかけようとしたけど、痛む足がそれを止めた。

バタンと、玄関のドアが閉まった。
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