理想の男~Magic of Love~
「右足のところを持ちあげて」

彼に指示されたので、私は右足のところへと足を向かわせた。

私が右足のところについたのを確認すると、
「じゃ、行くよ。

せーの!」

掛け声を合図にクマを持ちあげると、劇場のドアに向かって運んだ。

「先に左足の方から入れるよー」

指示の通り、左足を劇場のドアに入れようとした。

「痛い痛い、つっかえてる!」

左足を持っているグループから悲鳴があがった。

「じゃあ、下ろすよ。

ゆっくりと、そーっと」

指示通り、クマをゆっくりと下ろした。

「やっぱり分解して、舞台のうえで組み立てた方が手っ取り早くね?」

男の声がそう言ったので、
「えー、何かかわいそうー」

女の声が言い返した。
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