理想の男~Magic of Love~
スマートフォンの着信音が聞こえる。

――もう、朝っぱらから何なのよ…。

そう思いながらカバンからスマートフォンを取り出すと、着信の確認をした。

浩治からだった。

「――もしもし…?」

スマートフォンを耳に当ててそう言った自分の声は、寝起きのせいかものすごく不機嫌だった。

「愛莉?」

浩治が名前を呼んだ。

「昨日は、大丈夫だったかい?」

名前を呼ばれたことと心配されたことに、私はイラついた。

浩治は婚約者だから、私の名前を呼ぶのは当たり前だ。
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