ありがとう
『ねぇ、アリス。しっかりして』
『・・・。あぁ、悠里。どうしたの』
『どうしたじゃない!!あんた、死ぬ気!?』
『・・・。ははは。死ねたら、こんな苦労しない』
『っ』
『悠里~。私はねぇ、臆病ものなんだぁ』
『家族も死んじゃってー。何一つ大切なもの』
『なくなっちゃったのにぃ』
『私、まだ生きてるの~』
『死ねないのー。死ぬ勇気、ないんだぁ』
『・・・っ。アリス___ッ』
悠里は、小さく震えているアリスの身体を
優しく、そして強く抱きしめた。