それだけ ~先生が好き~


そう考えると、顔が熱くなる。


今にも携帯を持つ手の力が抜けそう。


お互いに黙ったまま・・・時間だけが流れる。



「あ・・・あの・・・」



震える声で問いかけてみる。

どうしよ・・・。


ああいうのは、察するべきだった?



『・・・あのさ・・・俺・・・』



城田の低い声が、私の耳に届く。


ごめんね。


あんなこと言わせてごめんね。


何度も・・・思い出させてばかりでごめんね。



私も伝えなきゃ。


思っていること、伝えなかったら・・・後悔する。



『・・・あ~!!やっぱ言えねぇ!!!』



急に大きな声を出されて、びっくりした。


息遣いまで聞こえてくる。



「あ・・・明日、時間ある?」



思い切った私の提案。


おぅ、いいよ、なんて返事・・・無理してるんだろうな。



ばいばいって電話をきった後、布団にもぐりこんで考えた。



・・・ちゃんと言おう。


中途半端なのはやだ。



< 310 / 522 >

この作品をシェア

pagetop