それだけ ~先生が好き~


また静かな空気になった。

その空気とは逆に、私の心は大騒ぎ。



でも、今更後戻りできない。



先生・・・好きです。


これが、本当の気持ちです。



届いて・・・





「好き・・・って・・・俺が?」



先生はびっくりして、大きく目を見開いて私を見る。


「そうです・・・」


下を向いて照れながら受け答えする私。


初めてだもん。


今までは、こんなことなかったから・・・。





長い長い沈黙は、果てしなく続きそうで、怖くなった。



振られたっていい。


なんだっていい。


ただ・・・今まで通りじゃなくなるのが怖い。



そんなの嫌。



卒業まで・・・卒業したって、仲の良い先生でいて欲しい。




お願い、何か言って。




私が後悔する前に、何か言って・・・。





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