† Lの呪縛 †
何故シドとオリヴィアが急接近したのかという疑問が、ダグラスの頭の中をグルグルと駆け回っている。


人見知りで、家族にすら未だに遠慮をしているところのあるオリヴィア。


そのオリヴィアがシドには素直な笑みを見せ、甘え、自ら頬に口付けをした。


ダグラスはその理由が気になって堪らなかった。



「シドのどこに惹かれたんだい?」



オリヴィアは顎に人差し指を置き、んーっと首を捻る。



「惹かれたのかって聞かれるとよく分からないけれど、とっても安心出来るの。 一緒にいると凄く落ち着くわ」

「そうか……シドもきっとそう思ったのかもしれないな」

「ふふっ、そう思ってもらえてたらいいな」



オリヴィアははにかみ、紅茶を飲んだ。


ニコニコしている表情はあどけなさがあり、可愛らしかった。


オリヴィアがシドに抱く想いが特別なものなのかは、ダグラスにはまだ判断出来なかった。


シドを一目見て虜になる女性は多い。


だが、オリヴィアの瞳はシドに熱を上げている様なものには思えなかった。



「今日はお茶に付き合ってくれてありがとう。 そろそろ寝るとしよう」

「うん」



ダグラスはオリヴィアの手を取り立ち上がった。






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