† Lの呪縛 †
オリヴィアは少し躊躇いながら口を開いた。



「ノエルお兄様に嫌われちゃったみたいで……凄く態度が素っ気ないの……でも、何をしてしまったのか分からなくて……」



瞳を潤ませるオリヴィア。


涙をこぼしてしまわないように唇をキュッと結んでいる。


ダグラスはそんなオリヴィアの頭を優しく撫でた。



「ノエルは拗ねているだけだ」

「拗ねてる? ノエルお兄様が?」

「オリヴィアが兄離れしていく事に、ノエル自身気持ちの整理がつかないのだろう」

「兄離れなんてっ……そんな……」

「だからオリヴィアが気に病むことはない。 暫くそっ……」



_ガタッ!!



「オリヴィア?」



突然オリヴィアが勢いよく立ち上がり、ダグラスは面食らった。



「ノエルお兄様のところに行ってくる」



驚いていたダグラスだが、優しい顔つきになった。



「あぁ、行っておいで」

「行ってきます!!」



小走りでライブラリーを出ていったオリヴィア。


それを見送ったダグラスは穏やかな笑みを零し、椅子に深く背を預けた。


オリヴィアが少しずつ今の生活に溶け込んできているのは、いい傾向だと感じていた。





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