† Lの呪縛 †
「玄関まで送らせて」



ノエルはオリヴィアの手を取り、クレアに笑みを向けると歩き始めた。


二人の仲睦まじい後ろ姿を見ながら、クレアは何だかホッとした。


一時期はオリヴィアに対して、異常なほど過保護で執着していたノエル。


だが今目の前にいるノエルはそうではない。


オリヴィアの事を愛しく思っている事に間違いないだろうが、クレアには、ノエルが兄として妹の事を大切にしている姿に見えた。



「お母様? どうしたの?」



足を止め、首を捻り不思議そうな顔をしてクレアを見ているオリヴィア。


クレアは優雅な足取りで進み、オリヴィアの空いている方の手を握った。


両方の手を握られたオリヴィアは、緊張した面持ちになり、両側から笑い声が漏れた。



「さぁ、行きましょうか」



初めは力が入っていた体も、三人で並んで歩いているにつれ、少しずつ解れていった。


オリヴィアは幸せを感じる度、どうしても昔の事を思い出してしまっていた。


今もそうだ。


けれど顔に出さない様努めている。


オリヴィアは、こんな得体の知れない化け物に対して、これ程までに愛情を注いでくれるレッドフォード家のみんなに感謝している。


だからこそ、兎に角今は自分が何者で在ろうと、ダグラス、クレアの理想の娘、そしてノエルの理想の妹にならなければと思った。





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