アオ×ソラ2~music is special!!~

辻本君は、亜緒の元カレが出所したことを伝えたらしい。

 「…本当にすみません!
まさか倒れるなんて…。」

 「いや、辻本君のせいじゃないよ!
教えてくれてありがとう!
それじゃ…。」

俺は電話を切り、亜緒の様子に目を向けた。

ソファの上でぐったりとした亜緒。
あの頃…一年前の顔色と同じ…。

 「なぁ、マッシュ…!
亜緒、死んだりしないよな…!?」

 「死なないよ…。
ただ、今だけはそっとしといてやって…。」

みんなはまだ知らない。
東京で亜緒が経験した地獄のような出来事を。

ただ俺が今心配なのは…。
あの時の罪悪感がまたフラッシュバックして、何もかも諦めたような亜緒になってしまうこと…。

それだけが何よりも気がかりだった。
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