teddy bear



中に入ると、テディベアがこれでもかってほど並んでいた。



うわぁ、うわぁー…テンション上がる!





「…なぁ華、これ良くない?」


すっかり機嫌が直った透也が、あたしを手招きする。




「…うわぁ、可愛い!!」


抱きしめ合って、顔だけをこっちに向けるテディベアのペアストラップ。




「…あぁ、これ磁石なんだ」


透也はテディベアの可愛らしい手をほどいて感心している。





「…これ、欲しい」


「はぁっ?」



マジかよー、とかぶつぶつ言いながらも、透也はそのペアストラップを買ってくれた。




会計を済ませた透也は、紙袋を持ってあたしのところに来た。

あたしはお礼を言って紙袋を受け取ると、言った。


「ね、透也、あれ欲しい」



透也に意地悪したくなって、あたしは棚の1番上に置いてある大きなテディベアを指差した。




あたしのわがままを聞いた透也の表情が、一瞬にして強張る。



「……華、マジそれは勘弁ー」


透也は先に店を出ていった。



< 21 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop