天使の歌
それから、母さんと一緒に、色々な所へ行った。
でも、何処へ行っても、俺は気味悪がられた。
「ねぇ、母さん。忌み子って、何?」
ある夜、俺が そう訊くと、母さんの表情は固まった。
「……誰に言われたの?」
「リー。」
母さんは、黙って俺の銀髪を、手で梳いた。
「……穢れている、この世に存在しては いけない人の事よ。」
「…………。」
俺は黙って母さんの顔を見つめて。
俯いた。
「セティ……?」
「母さん……俺の事なんか捨てて、何処かで暮らしなよ。」
「何 言ってるの、セティ。」
「幸せに なってよ。」
半ば突き放すように母さんの肩を押すと、母さんは強い力で、俺を抱き締めた。
「馬鹿!お父さんも居なくなっちゃって、私にはセティしか居ないのに。セティが幸せに なる事が、私の幸せなのに。何 強がってんのよ。」
早口に まくし立てる母さんは、泣いていた。
「……母さ……でも、父さんが死んだのは、俺の所為――。」
「誰に吹き込まれたのよ、そんな卑屈な考え。そもそも悪魔と結婚して、子供なんて生んだ私が悪いのよ。貴方は偶々 私の子供として生まれちゃっただけじゃない。」
ぎゅうぎゅうと抱き締めて来る母さんの言葉は、温かかった。