天使の歌

「?」

不安げな顔で見上げて来るセティの肩に手を添えて。

澄んだ声で、キュティは歌う。

「……何だ?気でも狂ったか?」

茶化すように言った男は、キュティの躰を見て、息を飲んだ。

歌い続ける彼女の躰を、光の神霊(みたま)が包み込む。

(……お願い……。)

自分の声に、想いを乗せる。

(私を、彼を。)

――助けて。

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