ナピュレの恋【完】

「あー、俺ね店だけなの。“僕”を使うのは」


「そうなの?」


「うん、変だった?」


変というか…。


「うんとー」


「んー?」


覗き込むようになつこを見た。


「……ドキドキ、した」


だって普段は知れない裕也くんを知れた気がして…。


「そういうこと…言うの、やめて」


突然立ち止った。


「え…?あっ、ごめん。嫌だった、よね」


なつこが下を向くと


「違う、もっとなつこさんが欲しくなっちゃうから」


裕也の耳はほんのり赤かった。
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