ナピュレの恋【完】
「それはいいんだけど…大丈夫?」


不安顔の貴子。


ま、当たり前か。


「あーうん。何かもう吹っ切れちゃったよ」


多分もう大丈夫。


あんだけあからさまにされたんだもん。


「そっ…か。それならいいんだけど…。それにしても秋本さん最低だわね。あれはないわ。新山さんの泥棒にも驚いたけど」


デスクに戻った時に貴子に全部話した。


今も貴子は完全呆れ顔だった。


「ふんっ。ほっんとあんな男だったなんて思わなかったわ。まっ、結婚する前に分かって良かったわ」


強がりなんかじゃない。


真面目にそう思った。
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