ナピュレの恋【完】

「…………」


裕也くんは何も言わなかった。


「もういいわ。行かなくていい、あたしが行く」


ガタンと席を立った。


「なに?離してくんない?」


裕也くんがあたしの腕を掴んでいた。


「なつこが泣いてんのよ?あの子今だって一人で…」


「僕が行きます」


裕也くんの真っ直ぐな瞳。


「あら、仕事はいいの?」


あたしはクスリと笑った。
< 95 / 300 >

この作品をシェア

pagetop