吸血鬼と歌姫と


「ルキのことが好きなの。」


頑張って笑っても俯いてしまう。



「美玲。」



ルキが私の名前を囁く。


それが私の世界を断片的にさせる合図。



ルキによって持ち上げられた視界。


映ることのなかったルキの中の私。


そっと重ねた口唇。


苦くて辛い、涙の味。



最愛の人とのkissは苦しいものだと知った。
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